ピシェット氏の道場には、常に世界中から生徒が集まってくる。口コミだけチェンマイ郊外の不便な場所にまで生徒が集まってくる。は、決して教え方が上手いとか、技術が世界一とかではないのかもしれないが、これほど国際的なカリスマ先生はタイで他に類を見ない。
開始時間は朝9時からだが、時間はそれほど正確でなく、早めに行って手伝いをしてる人も希にいるが遅れて来る参加者もいたりして曖昧な感じ。ピシェット道場はハンドン(町の名前)へ続く道沿いにある。教室は、大きな仏壇が設置されていて、仏教色満開の中で授業が行われる。
まずは30分に渡るマントラ(お経)を唱えることから始まる。その後、ピシェット氏によるデモンストレーションが始まる。新しい生徒がいる場合は、その生徒の体の見立て、何をすべきかを説明して、実際に施術を行う。その後、当日習得する手技のレクチャーがある。例えば座位で肩、首が凝っているかどうかの判断の仕方やそのほぐし方など、何人かの生徒を相手に実際にやって見せたり、やらせてみたりしながら体の使い方を修正してくれる。昼休憩をはさんで、午後は、セッションという形で互いに相手の体の状態に応じた施術を行ったり、当日のテーマについて議論しながら深め合ったりして午後の時間を過ごす。
田舎に伝わるタイマッサージは足や体を使ってアクロバティックな施術を行うが、その主な目的は施術者の負担を減らすことだという。その特徴が最大限に出た施術がピシェットスタイルの特徴だ。
ピシェット師は言う。「一度、今まで学んだやり方をすべて捨てなさい。白紙に戻って、患者と向き合いなさい。」と説く。つまり、チェンマイスタイルを捨てろと言う。
ピシェットスクールは学校と言うよりも、ピシェット道場とか、ピシェット寺院と表現したほうが、ふさわしいくらいの環境だ。決してカリキュラムがあってそれに沿って教えようなどということはない。マッサージの手技と言うより、密教の修行のような感じだ。ピシェット師の気分が乗らなければ生徒を全く相手にしないし、機嫌が良ければ(神が降臨してるときは)施術を見せるのだと言う。月~金曜日までやっているが、ほぼ年中無休の不定休営業。費用は日額800バーツ(3200円くらい)。ただしこれは、受講料ではなくお布施なのだ。1日800バーツで、通った分だけ支払うというシステムだ。ピシェット氏曰く、タイ語出来るなら1ヶ月、そうでなければ半年はいなさいとの事だ。
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